とある塗装職人から売り込みがありました。ホンの数か月前のことです。
どこよりも丁寧な工事をするので、私に仕事をくださいとのこと。経験豊富な若い衆も2人いるようで
これまで、3件ほど任せてみたところ、仕上がりに問題なかったので、初めて「シーリング工事」のある物件を
回してみました。「シーリング工事」とは、外壁に窯業系サイディングボードを採用している場合、必ず発生します。
ただ、手抜きしやすいのが難点です。打ち替えのところを増し打ちで済ましたりする業者が散見することも知っています。
ただ、経験豊富な私は、そのような不正工事があった場合、すぐ、わかります。
目安は施工時間です。1日で「シーリング工事」が終わるなど考えられないのですが、外壁も開口部も増し打ちで済ませれば、
2人でやって1日で済みます。そして、不幸な事件が起こってしまいました。
お施主様から、「1日でシーリング工事が終わったようなんですが、大丈夫ですか?」とのこと。
私は、ご契約いただく際に、工程について必ずお話しますので、お施主様も不安に思われたのでしょう。
私「シーリング工事が1日で終わるわけありません。何かの間違いと思いますので、明日、見に行きます」と返答しました。
この段階では、まだ、お施主様の勘違いだと思ってましたが、いざ、現場入りしてみると、なんと!シーリング工事が終わり、
マスキングテープも剥がされてるじゃありませんか! つまり、打ち替えを増し打ちで済ませているとしか考えられない!!!!!!
お施主様の前で、こんなに恥ずかしい思いをしたのは初めてです。穴があったら隠れたい思いでした。
信用していた職人に裏切られた悔しさよりも、私を信用してくれて契約してくれたお施主様に対して、顔向けができないし、
これまで塗装業者の選定にあたり、色々と手間暇かけられて当社を選んでいただいた思い等かんがえてしまい、
とても申し訳思いでイッパイになってしまい、大人げなく涙がこぼれてしまいました。
怒りで心頭の私は、その場で若い職人に蹴りを入れてしまいましたが、でも、指示をしたのは私に「仕事ください」と
依頼した親方のはずです。それから、速攻で親方に電話し事の顛末を話ましたが、
「すいません。若い衆が勝手にやってしまったようで。今度から気を付けます」と、抜かす。
私「当然だけど、全部やり直し!!!」と指示。ここで「今後の取引はこの物件の仕上がり具合を見て考えますが、良いですね」と念押ししました。
もちろん、今後、この親方に工事を回すことなど100%ありえません!
そして、こちらがやり直した写真です。シーリング目地を全撤去しました。
親方も真剣に受け止めてくれて、思った以上の仕上がりになりました。ま、当然ですね。
工事中の写真です。
工事前と比べてもかなりキレイに仕上がりました。これも怪我の功名でしょうか?
工事前写真